QEMU
開発元 Fabrice Bellard
最新版
9.0.0 / 2024年4月23日 (2か月前) (2024-04-23)
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対応OS LinuxBSDMicrosoft WindowsmacOSなど
プラットフォーム クロスプラットフォーム
サポート状況 開発中
種別 エミュレータ
ライセンス GNU GPL version 2
公式サイト qemu.org
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QEMU(キューエミュ、キューエム[1][2][3][4][5][6])は、Fabrice Bellardが中心となって開発しているオープンソースプロセッサエミュレータである。

概要

QEMUは機械全体をエミュレーションするシステムエミュレーションと呼ばれる環境と、Linuxユーザーランドをエミュレーションするユーザーエミュレーションと呼ばれる環境がある。

ユーザーエミュレーション環境は、非特権モードのエミュレーションおよび、Linuxのシステムコール命令をネイティブのシステムコールに変換する。この環境は、組み込み機器のクロスコンパイルや非x86環境でWineを動かすために使用可能である。

システムエミュレーション環境は主にWindowsLinuxなどのオペレーティングシステム (OS) を動かすことを目的に利用されており、OSの動作確認用としてQEMUを同梱する事がある。携帯電話用プラットフォームAndroidSDKにも利用されている。同様のプロジェクトにはBochsPearPCなどがあるがQEMUの特徴として、中間コードを介して動的コンパイルを行うことにより、x86、PowerPCSPARCARMなど多くのホストCPUに対して多くのターゲットCPUを高速にエミュレーション可能である事が挙げられる。x86システムエミュレーション環境に於いてはBIOSの動作環境はBochsと互換である。

かつては、アクセラレータとして、kqemuが用意されていた。バージョン 0.11 で廃止になり、これは KVM になった。kqemu は、QEMUをより速く動作させるモジュールとして提供されていた。kqemuは、x86又はx6464ビットCPU)をサポートしており、カーネルモード仮想化モニタとして動作する。これを使用するときには、同様のソフトウエアであるVMware同様、ホストCPUの実行できないコードをターゲットに於いて実行することは出来ない。Linux 2.4 及び 2.6上にて提供されている。FreeBSD並びにWindows NT/2000/2003/XPにおいては、実験的な提供がなされている。この部分はHALを使って書かれたバイナリオブジェクトとサポートされているプラットフォーム用のHALのソースとして提供されており、商業的な配布には制限がある。

QEMUはCPUだけではなく、各種の周辺ハードウェアもエミュレートしている。以下にQEMUが実装しているPCPC/AT互換機)ハードウェアを示す。

また、QEMUは-sオプションを指定すればtunデバイスを介してホスト上のGDBと接続、仮想マシンの動作状況を監視できるなど、インサーキット・エミュレータ (ICE) のような使い方も可能である。そのほかに、QEMUは、VNCSPICEサーバの機能が組み込まれており、この機能により、リモートマシンの制御が可能である。

対応する仮想化支援機能が少なく、VMwareVirtualBoxよりも低速とされる。

macOS向けには、UTM Virtual MachinesというGPU仮想化支援機能までも備えた高速な実装がある[7]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ QEMU - OSDN OSS Directory Wiki”. OSDN. 2023年5月8日閲覧。
  2. ^ QEMU/KVM SEECK.JP サポート”. seeck.jp. 2023年5月8日閲覧。
  3. ^ QEMU OSS用語集”. Weblio. 2023年5月8日閲覧。
  4. ^ QEMU【キューエミュ】 Mac OS X Glossary”. Mac OS X Glossary. 2023年5月8日閲覧。
  5. ^ QEMU脆弱性を利用したVMエスケープ攻撃の検証のまとめ”. ITmedia. 2023年5月8日閲覧。
  6. ^ VENOM QEMUの脆弱性(CVE-2015-3456)について”. Trend Micro. 2023年5月8日閲覧。
  7. ^ osy. “UTM” (英語). UTM. 2022年8月19日閲覧。

関連項目

外部リンク