『Days Gone』(デイズ ゴーン)は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントより2019年4月26日[1]に発売された、オープンワールドのアクションアドベンチャーゲーム[3]。
対応機種はPlayStation 4。Microsoft Windows向けのPCバージョンは2021年5月18日に発売された[2]。キャッチコピーは『それでも、生きろ。』。
タイトルの「Days Gone」は、直訳すると「過ぎ去った日々」「~日経過」などを意味する。
概要
謎のウイルスの蔓延でフリーカーと呼ばれる感染者が発生[4]、文明と秩序が崩壊した世界を舞台に、バイカーを生業とする主人公ディーコン・セントジョンとして極限状態をサバイバルしていくアドベンチャーゲーム。
人々は小さなコミュニティ「キャンプ」を作り、自給自足の苦しい生活をしているが、それぞれ敵対しており、フリーカーとは別にゲームの流れによって戦うことになるなど、オープンワールドゲームには珍しい濃いストーリー性も特徴[5]。物資の少ない世界を表現するため、序盤に関しては自由度も少ない。
最大の特徴として、バイクで自由にフィールドを移動できることに加えて、「巣」にいる数十~数百体ものフリーカーの群れが一斉に襲い掛かってきて、それを多用な火器・ボウガン・火炎瓶・爆弾など、さまざまな方法で撃退することができる。
DLCとして、非常に高難易度な「チャレンジ」モードが追加された。フリーカーの大群を殲滅する「大群チャレンジ」や、野盗のキャンプを襲撃する「コンバットチャレンジ」、バイクに乗ってミッションを行う「バイクチャレンジ」など、様々なシチュエーションが用意されている。条件をクリアすることで、能力がアップする「指輪」「パッチ」を取得でき、パッチについては取得すると本編にも能力が適用される。
登場する敵
フリーカー(Freakers)
2年前にパンデミックとなった疫病に感染し、変異した人間や動物[10]。下記に示すように様々な種類がいるが、それらを総称して「フリーカー(感染者)」と呼ぶ。ゾンビのような外見をしているが、甦った死者ではなく、生きている(このため、フリーカーに殺された犠牲者がフリーカーになる、といったゾンビのような増殖はしない)。個体によって様々な服を着ているが、これは人間だった頃に着ていたもの。
人間だった頃の知性は失われており、言葉を話すこともなく、本能的で凶暴。身体能力は上がっているが、ドアを開けるなどの行為はできない。生物であれば、人間でも動物でも見境なしに襲う。音に敏感で、物音を立てると襲って来る習性を持つ。光が苦手で、暗く冷たい場所を好む。そのため、日中は巣に籠っていることが多く、夜間や悪天候時に活動が活発化する。マップ各所の廃屋や洞窟・トラックのコンテナ等の中に木や紙を詰め込んで巣を作っており、その巣を焼き払うことで、周辺のフリーカーの数を減らすことができる。フリーカーの巣や体臭はかなりの悪臭で、お互いの体臭を嗅ぎ取ることで群れて行動している。
フリーカーは、パンデミック当初はスウォーマーやニュートしかいなかったが、時間の経過と共に進化しており、スクリーマーやブリーチャーなどの強力な変異体が出現してきている。討伐の証拠品として耳を回収して換金可能であり、各々のキャンプで通貨に変えられる。
- スウォーマー
- 成人の男女のフリーカー。フリーカーの基本形態で、登場する個体数が最も多い。通常は2~3体で行動しているが、100体を超える大群で群れていることもある。素手で掴みかかってきたり、噛みつく攻撃をしてくる。
- 少数程度ならショットガンや格闘武器で対処できるほどであまり脅威ではないものの、大量に襲ってくると銃による制圧は難しく、爆弾などを利用する必要がある。
- ニュート
- 子供のフリーカー。スウォーマーより小柄で、屋根など高い場所を好む。通常は見つかっても攻撃を仕掛けてこないが、ディーコンの残りHPが少なかったり、ニュートの縄張りに侵入した場合は攻撃を仕掛けてくる。ディーコンの首や肩に乗るように回り込み、素手や噛みつきで攻撃してくる。体力は非常に少なく、2~3発の銃撃で倒せる。
- スクリーマー
- 女性のスウォーマーの変異体。自ら攻撃は行わないが常に周囲を警戒しており、生存者を見つけると大きな叫び声をあげて、周囲のフリーカーを呼び寄せ、自らは逃走する。また、この叫び声を聞くと、ディーコンは目眩状態となり少しダメージを受ける。
- ブリーチャー
- 男性のスウォーマーの変異体。アルビノ変異体で体色が白いのが特徴。スウォーマーより身体能力が高い。
- ブレイカー
- 男性のスウォーマーの変異体。筋骨隆々のマッチョ体型のフリーカー。恐ろしくタフで凄まじい筋力を持ち、そのパワーを生かした攻撃を繰り出す。何度かダメージを食らうと、必殺の体術攻撃を繰り出してくる。
- 中盤のミッションのボスとして初登場し、その後はスウォーマー等とともにフィールドでも登場する。
- リーチャー
- 男性のスウォーマーの変異体。頭と両肩に生えている白い毛と、手の鋭い爪が特徴。スウォーマーとは桁違いのパワーとスピードを持ち、ブレイカーに次いで耐久力も高い。死角の後ろ側から迫ってくることが多く、不意を突かれると一方的に攻撃される危険がある。
- 終盤のミッションのボスとして初登場し、その後はスウォーマー等とともにフィールドでも登場する。なお、作中では「時速65kmで走れる」と評されているが、実際にはバイクに追いすがるほどの速さはなく、あくまで瞬間的な速さと見られる。
動物のフリーカー
動物のフリーカーは、作中では狼と熊、カラスが登場する[1]。動物の場合も耳や嘴を回収して換金できる。
- レイジャー
- 熊のフリーカー。感染前より凶暴性が増しており、鋭利な牙や爪による攻撃で獲物を襲う。耐久度はブレイカー以上であり、攻撃力も非常に高い。動物系クリーチャー共通の特徴としてステルスキルもできないため、大群を除けば本作最強のクリーチャーである。高難易度の場合には普通に倒すことは困難であり、建物の屋根やバンの上などの高所には登ってこれないので、戦闘前に射撃可能な高所を確保する必要がある。
- ランナー
- 狼のフリーカー。非常に俊敏かつ凶暴で、バイク同等以上のスピードで走ることができる。また、バイクに乗った人間を跳ね飛ばすほどの力を持つ。レイジャー以上に高所には登れず、一般的な自動車程度の高台に登って射撃すれば比較的安全に戦闘可能。
- クライアー
- カラスのフリーカー。大群で行動し、空から獲物に向かって嘴で突く攻撃を行う。非常に素早いため、銃を構える際にはスローモーション状態で狙う必要がある。木の枝の上に巣を作っており、これを焼き払うことで数を減らすことができる。
動物
- 狼
- 感染していない野生の狼。人間社会の崩壊に伴って数を増やし、凶暴化している。ディーコンを発見すると遠吠えで仲間を呼び、数匹の群れで襲いかかってくる。ランナーに次いで俊敏。倒した後の死骸からは肉を剥ぎ取れる。ランナーと同じく高所を登ることが出来ない。
- 熊
- 感染していない野生の熊。凶暴でレイジャーに次いで耐久力が高い。倒した後の死骸からは肉を剥ぎ取れる。レイジャー同様に、建物の屋根やバンの上などの高所には登ってこれない。
- クーガー
- 感染していない野生のクーガー。俊敏かつ狡猾で、ディーコンを発見すると忍び寄って奇襲を仕掛けてくる。倒した後の死骸からは肉を剥ぎ取れる。
人間
- 野盗
- 生存者のうち、各地の生存者キャンプに避難していないならず者達。マップの各地で窃盗や強盗を行い、物資を盗む。ディーコンのバイクの部品を盗もうとすることもある。銃火器や鈍器、刃物などの武器で攻撃してくるほか、フィールドに罠(トラバサミや鳴子、ワイヤートラップ)を仕掛けることもある[7]。地下シェルター付きの独自のキャンプを築き、活動拠点にしている。野盗のキャンプは、制圧するとディーコンのアジトとして使えるようになり、ファストトラベルの拠点として利用できるようになる。
- リッパー
- フリーカーを崇拝しているカルト集団。メンバーは全員がスキンヘッドで、体中に切り傷があるのが特徴。また、意匠としてR.I.Pの文字を使用する。疫病に感染していないが、フリーカーになることを望んでいて、そのために自ら体を切り刻んでいる。野盗と同じく、銃火器や鈍器、刃物で武装しており、生存者を勧誘するため襲い掛かる[8]。勧誘を断られた場合はバーナーで腕を焼くなど、残虐な拷問を行う。「リッパー(Ripper)」とは「切り裂く者」を意味する。
- 崇拝の対象であるフリーカーに遭遇した場合は逃走や抵抗は一切せず、自らその身を捧げるように食い殺される。
- ゲーム中盤でディーコンとブーザーの手により、本拠地としていたアイアンビュートのキャンプ場をダムの爆破による水流で一掃され、リーダーであるカルロスも倒されたことで壊滅する。しかし、残党はその後も活動しており、ゲーム後半に彼らと対峙するサブミッションが出現する他、フィールドにも敵として出現する。
- アナーキスト
- 世界崩壊から間もない頃に現れた狂気的な武装集団の一つで、リッパーより前から活動している。キャンプに忍び込んでは生存者の喉を切り裂いて殺害し、物資を強奪ないし破壊する残虐な手口で知られていた。アルファベットのAを逆さまにして横棒を引き伸ばした奇怪な意匠と、謎の積み石を各地に残している。一部のサブミッションでのみ、敵として出現する。
- NERO(ネロ)
- 国家緊急事態対応機構。国家警察や軍に代わってフリーカーの生態調査などを行っているはずの、謎の集団。初期に基地としていた避難所やベースキャンプはフリーカーにより壊滅し、ほとんどはフリーカーの巣窟となっている。現在はボンベを背負った防護服でマップ各地を調査している。彼らの着ている防護服は特注のもので、刃物や銃弾に対する高い防御性を発揮するため、ディーコンの攻撃がほとんど効かない。
- デシューツ郡民兵
- 南部地区で活動している民兵組織。指揮官はマシュー・ギャレット大佐で、ウィザード島に巨大な要塞を築き拠点としている。フリーカーの根絶と人間社会の復興を目的としているが、軍以外のキャンプの人間や野盗たちも敵視している。そのため、ストーリー終盤では北部地域に進軍し、ロストレイクキャンプを襲撃する。
- 人的規模は他のキャンプとは比較にならず、前哨基地であるダイヤモンドレイクのキャンプでだけでも100名もの兵士がいる。また、機関銃や火炎放射器など強力な装備を所持しており、高い戦闘力を持っている。
- 物資不足のため、全員共通の隊員服はない。代わりに民兵の紋章をあしらった腕章を配給している。また、規律を非常に重んじる組織体制になっており、隊員同士での男女交際が禁じられている他、組織を裏切る行為や脱走などは絶対に許されない。規律違反を犯した者は、ウィザード島にある絞首台に引き出され、絞首刑に処される。
- 内部にはギャレット大佐の狂気的なやり方に反感を覚えていた者も多く、大佐が死亡した後はそうした者たちによって通常の生存者キャンプとして再編された。そのため、敵として対峙するのはディーコンが民兵から離反した後からクリアまでの、ゲーム終盤のみである。