ayuca(アユカ)は、岐阜乗合自動車(岐阜バス)が発売する非接触型ICカード乗車券である。岐阜バスグループのほか、岐阜市周辺の一部のコミュニティバスでも導入されている。
長良川の清流をイメージしたデザインで、右下に3匹のアユが泳ぎ、左上に「ayuca」のロゴがある。グラフィックデザイナーの左合ひとみによるもので、カード裏面に「デザイン:左合ひとみ」の記載がある。
ストアードフェア(SF)機能のみの「ayuca」と、定期券機能が付加された「ayuca定期券」に大別される。それぞれ乗車対象者に応じて種類が異なる。
また、岐阜市に居住する70歳以上の高齢者を対象者とした「岐阜市高齢者おでかけバスカード」も存在する(交付申請必要。運賃は終日2割引)。
種類 | 記名有無 | 対象 | SF有効期限 |
---|---|---|---|
普通カード | 選択可 | 一般大人 | なし |
通学カード | 記名式 | 一般学生 | 卒業する年の3月31日 |
こどもカード | 記名式 | 一般小児 | 卒業する年の4月5日 |
障がい者カード(大人) | 記名式 | 障がい者大人 | 誕生月末日[注 1] |
障がい者カード(小児) | 記名式 | 障がい者小児 | 誕生月末日または卒業する年の4月5日のどちらか早い方 |
種類 | 記名有無 | 対象 | SF機能 | |
---|---|---|---|---|
通勤 | 大人用 | 記名式 | 一般大人 | 普通カード |
小児用 | 記名式 | 小児 | こどもカード | |
障がい者(大人) | 記名式 | 障がい者大人 | 障がい者カード(大人) | |
通学 | 大人用 | 記名式 | 通学を目的とする一般大人 | 通学カード |
小児用 | 記名式 | 通学を目的とする小児 | こどもカード | |
障がい者(大人) | 記名式 | 通学を目的とする障がい者大人 | 障がい者カード(大人) |
ayucaの導入以前は磁気式バスカードを導入していた。
岐阜市が国土交通省・警察庁により指定されたオムニバスタウン事業の一環として、バス利用者の利便性を向上させる目的で導入した。東海3県(愛知・岐阜・三重)の交通系独自のICカードシステムの導入は東海旅客鉄道(JR東海)のTOICAに次いで2例目で、バス会社としては東海3県で初めてであった。
岐阜バスが2024年春を目途にmanacaを、2026年春を目途にmanaca定期券を導入し、その後ayucaを廃止する検討を行っていることが2022年12月に報道された[報道 1][報道 2][報道 3]。その後、2024年3月2日よりmanacaを導入した(manaca定期券はこの時点では未導入)[1]。
2021年11月30日まで、バス乗車の利用金額に応じてポイントが貯まっていた。貯まったポイントを還元することにより、カード残額(利用可能額)に加算されていた。
カードの種類・利用日・時間帯により、乗車1回ごとの利用金額に対して次表の割合でポイントが付与される。
種類 | 利用日・時間帯(降車時基準) | 付与率 |
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普通カード 障がい者カード |
下記を除く | 14.5% |
平日10時から16時まで 土曜、日曜、祝日、8月13日 - 15日および12月29日 - 1月3日の終日 |
40.0% | |
通学カード こどもカード |
下記を除く | 35.0% |
平日10時から16時まで 土曜、日曜、祝日、8月13日 - 15日および12月29日 - 1月3日の終日 |
40.0% |
ポイントの還元は、次にチャージするときに自動的に行われる。100ポイント単位で還元され、100ポイント未満の端数は繰り越される。
乗車1回ごとの利用金額に対するポイントは「基本ポイント」となり、これに暦月1ヶ月間の累計利用金額に対する「ボーナスポイント」が加わる。
1ヶ月間累計利用金額 | 付与ポイント | 累計ポイント |
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2,000円未満 | なし | なし |
2,000円到達時 | 50ポイント | 50ポイント |
5,000円到達時 | 100ポイント | 150ポイント |
10,000円到達時 | 150ポイント | 300ポイント[注 3] |
ポイントの還元は、基本ポイント・ボーナスポイントとも、翌月以降初めて降車するときに自動的に行われる。10ポイント単位で還元され、10ポイント未満の端数は繰り越される。
カード残額が少ない時は使用前に、バス車内、営業所・案内所などの取扱窓口または岐阜市役所・大学病院などにある自動入金機でチャージ(入金)しておく。カードには1,000円単位で最高20,000円までチャージできる。
以下を除く岐阜バスグループの路線と、岐阜市、山県市、各務原市、瑞穂市、岐南町のコミュニティバス全線、関市のコミュニティバスのデマンドバス以外の路線で利用可能。
2013年3月23日より交通系ICカードの全国相互利用が開始されたが、ayucaについては運営している岐阜バスがシステムの違いや利用者からの強い要望がなかったことから、TOICAやmanacaなどとの片利用扱いも含めて相互利用を見合わせており[報道 4][要出典]、ayuca以外の交通系ICカードは使用不可の状態となっていたが[注 4]、2024年3月2日よりmanacaとの片利用が開始された[1]。なお、2015年(平成27年)7月に国土交通省においては、地元利用・圏外利用・外国人利用の利便性も踏まえたayucaを含む地域独自カードエリアにおいて、manaca、TOICAなどの全国相互利用サービス対応の10カードを片利用可能にする新システムの開発、支援を検討していることを発表している[8]。
2011年10月1日から、名鉄協商のカーシェアリング「カリテコ」の会員カードしての利用が可能になった。また、同日より提携店舗でayucaを提示すると割引・粗品進呈などの特典を受けられるサービスが開始されたが、電子マネーとしての利用はできない。