SMA NEET Project(エスエムエー・ニート・プロジェクト)は、2004年ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)内で立ち上げられたお笑い芸人プロジェクト。

Beach V(びーちぶ)舞台(2016年10月撮影)。

本稿ではSMA NEET Projectをはじめとするライブを行うSMAのお笑い専門の劇場、Beach Vについても扱う。

概要

かつて渡辺プロダクションホンジャマカのマネージャーを務めていた平井精一が2004年12月に立ち上げた[1]。お笑い事務所としては後発だったため、他事務所が少数精鋭の方針を取っていたところをあえて逆行。かつて他事務所に所属していたフリーの芸人を集め、「とにかく分母を増やす」手法を取った[1]。立ち上げ後も「来る者拒まず、去る者追わず」を基本としており移籍組が多いのが特徴で、採用オーディションにおいても、来所した芸人のネタ見せも行わずに全員採用していたこともあった。そのため、諸事情がある芸人たちの最後の砦として機能していたため、一時期は芸人の間でSMAが「芸人の墓場」と呼ばれたこともあった。しかし、新興事務所ながら芸人同士のつながりが深く経験も蓄積されている[2][3]

2012年にバイきんぐキングオブコントの王者となり、2016年にハリウッドザコシショウ、2017年にアキラ100%R-1ぐらんぷりの王者となった。また、2020年には錦鯉が初めてM-1グランプリのファイナリストとなり、2021年には優勝を果たし、吉本興業以外で初めてこの3大会を制した事務所となった[4]

他プロジェクトとして、ユース的な要素を持つ下部組織SMA HEET Project、および占い師など文化人枠のSMA KEET Projectが存在する[1]

SMAトライアウトライブ(笑)

開催日など

お笑いライブ「SMAトライアウトライブ(笑)」を、月1回第3土曜日とその翌日の日曜日にBeach Vで開催している(かつてはシアターDで開催していた)。

ライブでは上位から以下のようなクラスに分かれる。

毎月のライブで原則としてそれぞれのクラスの投票結果で上位5組が昇格し、下位5組が降格となる(解散などがあった場合は昇格枠が増える)。また、タイムオーバーは減点の対象となる。金のタマゴ☆の上位6組はそれぞれのクラスのライブにおいてMCを務める。

出演条件

備考

なお、初開催当時の出演メンバーはアジアンパワー、一揆、エコギャング、エンジョイワ→クス、オテンキ、がっつきたいか、ギフト、キャラメルマシーン、ジャンファンカ、ジョン・レノソ、世界のうめざわ、バイきんぐ、浜風キット、ハリウッドザコシショウ、ビッグウェー部、響、ミックスジュ~ス、モダンタイムス、ラヴァーソール、ロビンフットの20組であった[5]

主な所属タレント

グループ
  • 四兆(箸休めサトシ/陣野周作)
  • 力司(力/司)
  • レインボーグランド(根本正一/目良圭佑)
  • ロビンフット(おぐ/マー坊)
  • ピン芸人

    かつて所属していた主なタレント

    引退・解散
    たいがー・りーは放課後片想い系妄想発明家として活動(SMA本体のサイトでは俳優扱い)
    渡辺はピン芸人「キャプテン渡辺」、豆山はピン芸人「ジャック豆山」、松本はコンビ「だーりんず」として在籍
    田中はグレープカンパニーに移籍しピン芸人として活動
    川原はピン芸人「トントン」、及びコンビ「万福」として在籍
    解散後は両者ピン芸人として在籍
    大橋はピン芸人「アキラ100%」として在籍
    田中はピン芸人として在籍、ゆずきは退所しフリーでピン芸人として活動
    2017年7月26日よりコンビ活動休止を発表
    解散後は両者ピン芸人として在籍
    清水はコンビ『キュウ』を結成、新城はコンビ『モーニングマン』として在籍
    文筆業専念により引退
    長谷川はコンビ「錦鯉」として在籍
    田中はピン芸人として在籍、浜田は相方募集中
    2006年に村田の死去によって活動終了
    渡辺はコンビ「錦鯉」、小田はコンビ「だーりんず」として在籍
    解散後、皆川秀介は引退、あたしのプリン食べたやろはホリプロコムに本名の立川佳子として所属するも2017年に引退
    ゆうきは引退
    小橋がフリー転向のため退社し解散
    後に加藤憲を加えトリオになるも解散。後日、中垣がフリーへ。
    移籍・退社
    グレープカンパニーに移籍
    太田プロダクションに移籍
    フリーを経て、ラフィーネプロモーションに移籍
    SHUプロモーションを経て、吉本興業に移籍
    浅井企画に移籍
    WAHAHA本舗に移籍
    オフィス北野を経て、タイタンに移籍
    フリー
    株式会社コピコムに移籍
    オスカープロモーションに移籍後、解散
    オフィス・インディーズトップ・カラーを経てサンミュージックプロダクションに移籍
    SMA HEET Projectを経てASH&Dコーポレーションに移籍
    オフィス★怪人社に移籍
    ワタナベエンターテインメントに移籍
    マセキ芸能社を経て、フリー
    グレープカンパニーに移籍
    wood luck officeを経て株式会社アヴァンセ移籍
    よしもとクリエイティブ・エージェンシーに移籍
    フラットファイヴを経てグレープカンパニーに移籍後、解散
    ビクターミュージックアーツに移籍
    太田プロダクションに移籍後、チャイムを結成し活動
    げんしじん事務所に出戻り
    wood luck officeに移籍
    フリー[7]
    サンミュージックプロダクションに移籍
    2021年退所

    Beach V

    Beach V(びーちぶ)
    情報
    通称 びーちぶ
    完成 2007年
    開館 2007年3月22日
    開館公演 SMA千川旗揚げライブ
    客席数 80
    運営 SMA
    所在地 171-0043
    豊島区要町3-11-3 ラルジュ大映地下1階
    テンプレートを表示

    Beach V(びーちぶ)は、東京都豊島区要町[8]にあるSMA所有の稽古場兼劇場である。

    概要

    2007年地下鉄有楽町線千川駅近くにソニー・ミュージックアーティスツのお笑い部門常打ちライブハウスとしてオープン。これによってSMAは、自前の劇場を持つ数少ないお笑い事務所の一つとなっている[9]

    2006年に急逝した村田渚の遺志を継いでいこうというコンセプトのもと、「村」=VILLAGEからV、「渚」=Beachと、村田の名を由来としている。

    毎週土日に事務所ライブが行われるほか、平日は芸人主催ライブと、毎日お笑いライブが行われている。

    地下へ通じる階段部分に、村田の組んでいたフォークダンスDE成子坂単独ライブで使われたイラストが飾られているほか、SMA所属芸人の獲得したトロフィーなどが飾られている。また、バイきんぐが『キングオブコント』優勝時には劇場のマットが張り替えられた。

    もともと音楽のライブハウスだった場所で、壁が音を吸収する素材でできているため、出演する芸人の声が自然に大きくなると指摘される[10][9]

    近隣は住宅街のため、ライブ開催時には毎回、「芸人との待ち合わせは徒歩30秒の駅前で」とアナウンスされる。

    アクセス

    東京メトロ 有楽町線千川駅 3番出口より徒歩30秒。

    脚注

    1. ^ a b c 阿部美香 (2020年2月13日). “芸人の笑像 バイきんぐ、アキラ100%ら人気お笑い芸人の“育ての親”が築いた、笑いのSMAイズム【番外編】”. Cocotame. ソニー・ミュージックエンタテインメント. 2020年7月10日閲覧。
    2. ^ アキラ100%、バイきんぐ――「SMA芸人」が強い3つの理由
    3. ^ Yahoo!ニュース オリジナル 特集 (2021年12月18日). “錦鯉、バイきんぐ、ザコシ……「芸人の墓場」と呼ばれた事務所で、売れっ子を量産する仕掛け人”. Yahoo!ニュース. p. 3. 2021年12月20日閲覧。
    4. ^ 錦鯉『M-1』優勝でSMA“お笑い賞レース3冠”達成の快挙 バイきんぐ・ザコシ・アキラ100%に次ぐ王者”. ORICON NEWS. 株式会社oricon ME (2021年12月19日). 2022年3月1日閲覧。
    5. ^ SMAの8年の歴史!!”. カンカン劇場. 2013年3月6日閲覧。
    6. ^ a b c ピン芸人として個別のプロフィールも掲載されている。
    7. ^ モダンタイムスがSMAを退所、フリー芸人として川崎の24時間配信を再開”. お笑いナタリー (2021年7月5日). 2021年7月5日閲覧。
    8. ^ ABOUT”. ソニー・ミュージックアーティスツ. 2023年2月15日閲覧。
    9. ^ a b ラリー遠田 (2021年8月14日). “コウメ太夫、バイきんぐ小峠、ハリウッドザコシショウ…ソニー芸人大躍進の最もなワケ〈dot.〉”. AERA dot. (アエラドット). 2022年2月7日閲覧。
    10. ^ おいでやす小田の”大声ツッコミ”はシンプルさに隠された経験のたまもの! 今最も熱い芸人の高度なテクニックを元芸人が解説”. 日刊サイゾー (2021年6月3日). 2022年2月7日閲覧。

    関連項目

    外部リンク